和風のコートハンガー「衣桁(いこう)」
平安時代のころから、きものは衣桁という鳥居形の道具に掛け、風に当てて汗を乾かしていました。そしてきものの下から香を焚きこめたりもしていました。書物「類聚雑要抄」によると、棹は漆塗りで、上等なものには蒔絵が施されたり、両端に金銅の装飾金具が付けられていたようです。この衣桁は実用だけでなく、華やかな衣装を掛けて室内を飾るインテリアとしても使われていました。かつて、人々はお気に入りのきものを衣桁にかけてうっとりと眺め暮らしていたのでしょう。
このコーナーではきものにまつわる雑学をご紹介していきます。きものから生まれたことわざや習慣は身のまわりにたくさん。その意味を知り、ルーツをたどることで、きものがより身近な存在になるのでは?